災地で添付書類の簡略措置が採られる未払賃金立替払制度
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- 2011-3-29 19:20
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の発生に伴い、健康保険証がない場合でも保険扱いで診療が受けられるといった特例措置が設けられていますが、先日、未払賃金立替払制度に関しても添付書類の簡略化に関する通達が発出されました。
そもそも未払賃金立替払制度とは、賃金の支払の確保等に関する法律に基づき、企業が倒産したことにより労働者が賃金を受け取れないまま退職を余儀なくされた場合に、その未払賃金の一定の範囲について、独立行政法人労働者健康福祉機構が事業主に代わり支払うというものです。
事実上の倒産と考えられるケースで、立替払を受ける場合には事業主の事業活動の状況等に関する事項を明らかにする資料や労働契約書、賃金台帳の写し等を添付しなければならないとされています。
この点に関して今回の通達では、「添付しなければならない書類を対象事業場が被災したことにより入手できない場合等にあっては、地方公共団体が発行する罹災証明書等、申請者側において入手可能な各種資料を最大限活用することにより、申請にあたっての労働者等の負担をできるだけ軽減する」としています。
この趣旨は地震のため、事業場において事業活動の停止がやむを得なくなった場合に、実情を踏まえつつ未払賃金立替払が迅速に実施され、早急な救済が図られることにあります。別途リーフレット等も配布されることになっていますので、今後の情報や実務対応についても注目していきたいものです。