出産時の事故で重い脳性まひになった赤ちゃんの家族に補償金を支払う「産科医療補償制度」の掛け金をめぐり、年間およそ200億円の余剰金が発生しているとして、産科医院などの分娩機関28カ所と1041人の妊産婦が5月22日、掛け金の一部返還を求め、制度を運営する日本医療機能評価機構(東京都千代田区)に対して、国民生活センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てました。
産科医療補償制度は、現在までに、全国の分娩機関の99.8%(3,326機関)が加入しています。
分娩機関は出産1回につき3万円の掛け金を機構に支払っていますが、多くの場合は医療機関からの請求を受け、妊婦が出産時に負担しています。
妊産婦には健康保険などから受け取る出産育児一時金によって3万円分が充当されます。
平成21年の制度開始以来、4年間で800億円以上が余剰金となっているとみられ、3万円のうち2万円が余剰分に当たるとして、計2082万円の返還を求めました。
機構は余剰金の使い道や制度見直しについて、6月にも検討を始めるとしています。
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