神奈川労働局は今月10日、相模原市中央区の機械部品製造業者が、中小企業緊急雇用安定助成金5億1532万9355円を不正受給していたと発表しました。
厚生労働省によると、これまで全国の各労働局が公表した同助成金の不正受給の額としては1社単独では過去最高額とのことです。
同助成金は、企業が雇用維持のため、従業員を解雇せずに休業させるなどした際に、国が手当の一部を支給する制度ですが、神奈川労働局によると、同社は2009年4月から2012年9月までの間に、従業員のタイムカードを休業しているかのように偽るなどして書類を偽造し、休業や職業訓練を実施したかのように見せかけて、助成金を受給していました。すでに1億2600万円を返還し、毎月の返還計画も立てていることから、同労働局は刑事告発を見送る方針です。
同社の従業員数が228人(4月末現在)と多いことや、2008年のリーマン・ショック後に同助成金の申請が相次ぎ、労働局による定期調査に時間がかかったことから発覚が遅れ、巨額の不正受給につながったと見られています。
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