高度経済成長の時代は「生活の糧を得る」ための働き方が一般的でした。年功型人事制度のもと、会社が社員とその家族の生活を保証し、会社と社員は共に明るい未来を夢見ることができたのです。
バブル崩壊後、その働き方は一変します。「成果を出し多額の報酬を得る」ことや「成果を出した者が多額の報酬を得るのは当然」といった成果主義人事制度の時代に入っていたのです。
非常に合理的に見えたこの制度でしたが、「成果を短期間に出した者のみに多くの金銭的報酬を支払う」といった極端な制度まで出現してくるようになりました。
金銭的報酬を重視した成果主義は一時的には社員のモチベーションを上げる効果はありますが、それだけでモチベーションが継続していくものではありません。
バブル崩壊からこれまでの間の行き過ぎた「成果主義人事制度」に会社も社員も疲弊しきってしまった感があります。
豊かになり、働くことへの価値観が多様化した我が国においては、自己実現のために仕事そのものに意義を見出したいと考える人が多くなってきています。そのような社員には「金銭的報酬」よりも、「仕事の達成感や充実感・使命感」「仕事を通じた自己の成長」「同僚・上司・顧客からの承認」といったような「非金銭的報酬」を与えることがモチベーションを高める方法なのです。
どのようにすれば、会社は永年にわたり存続していくことができるのでしょうか?
一言でいえば、「理念や理想を高く持ち、社会に貢献している企業」といえるでしょう。
その鍵となるのが3つのSです。
会社にとってCSを高める努力は当然ですが、社員や社会から愛されない・必要とされない会社は短期的には成功しても長く続くことはできません。
ESは「従業員満足」と訳されますが、それは社員に愛されるため賃金や休みを増やして迎合することではありません。
社員が仕事を通して多くの非金銭的報酬を得ることにより、「成長」「共感」「承認」といったことに大きくモチベーションを感じている状態を「ESが高い」状態と考えるのです。
ESの高い社員は自社の製品やサービスを会社の「作品」として誇りをもち、心をこめて作り上げ顧客に供給していきます。そのためにCS(顧客満足)が向上し、ひいては会社の業績向上に資することになるのです。
ES向上型の人事制度では特にこの非金銭的報酬を高めてゆき、自律した社員が会社とWIN-WINの関係になれるようなしくみを作っていくことを重視します。
会社の経営理念や価値観と、個人の価値観・キャリアビジョン等に基づいて、主に人事制度のハードの部分としての
に反映していきます。
それとあわせて、人事制度のソフトの部分として経営者や会社の想いが伝わる【非金銭的報酬の分配】を組織が「しくみ」として行える形を、経営者様とともに考え、作り上げていきます。